空中ブランコ

t-akata2009-11-10

今期のノイナミナ枠は、久々にヴィヴィッドな配色の実験作(?)
空中ブランコ」。

実写とのコラージュを織り交ぜた演出がまず目を引きます。
シャフト作品(劇団イヌカレー)などでは良く目にする手法だけど、
シャフトが実写を「アニメーションの中に単発的に挟み込んで画面を印象付ける」使い方をしているのに対して、
こちらは「実写とアニメを行ったり来たりする。そういう作品です!」という感じ。

一見すると、「ちょっとアレな精神科医と患者の話」という設定と、
画面全体のドぎつい色使いから、
みなさん受け止め方は様々ありますでしょうが、
単純に「アニメのデジタル技術って、ホントに進歩してるんだなぁ」と思いました。
ひと昔前なら、こういう仕事は「CGチーム」みたいな一セクションの人がそりゃもう頑張って頑張って元絵から合成から仕上げまでやってたんだろうけど、
今はもう最初から最後まで制作現場がデジタルに整備されちゃってて、
こういう演出を1から10まで「狙って」作れるようになったんだなぁと。
「進歩を感じた」というか、「浸透を感じた」ですね。

できれば東映アニメーションさんには、
この力を少しでもプリキュアの方に回していただきたいなぁと
思ったりもするわけですが。

あと、精神科医・伊良部役:三ツ矢雄二が、
何だか楽しそうに演じていて、それだけでも面白いです。
まさか達ちゃん(タッチ)の人がこんなよくわかんねぇ胡散臭いヤツをやってるなんて
というギャップもさることながら、
「得体の知れない、それでいて何でも見透かしている」感じが伝わってくるので、
見応えがあります。

話の方は至って単純で、
心配事や悩みが原因で生活や仕事に支障をきたしている患者を
その原因を明らかにした上で治療するという
一話完結型オムニバスストーリー。

画面からして見る人を選ぶし、ずば抜けて面白いわけでもないけど、
ちょっとクセになる。

そんな変化球アニメ。

なんか毎回出演する声優さんも豪華らしいので、
そちらも楽しめる人はお楽しめるんじゃないかと。