魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st

t-akata2010-02-08

さて、前回予告したとおり、「魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st」の感想をば。

本作は、根強い人気を誇る「魔法少女リリカルなのは」シリーズのファーストシリーズを劇場版としてリメイクしたものである。
「リメイク」って言うと聞こえが悪い気がするな…。
でもヱヴァほどの「リビルド」では無いんだよね。
ストーリーについてはネタバレしようもないほどだし。


知らない人のために簡潔に説明しよう。
魔法少女」といっても、「なのは」はいわゆる「魔女っ子」ものではありません。
魔法で奇跡を起こして身近な事件を解決したりはしません。
己の野望を実現するため次元を破壊せんとする敵を「魔法」の力でやっつける「少女」のお話「なの」です。
まぁ、「魔法(高度に発達した科学力)で奇跡を起こして身近な事件(お友達になりたいなぁと思っている女の子の複雑な家庭事情)を解決する(砲撃型魔法をブッ放して撃ち抜く)」と表現すれば間違いではないですね。
銀河お嬢様伝説ユナ」の「メカ」を「魔法」に置き換えて、「魔法少女空中決戦!(配給・東宝)」と言っても間違いないはず。


ともかくも、この絵と「熱血魔法バトルアクション映画」だということを念頭に置いて観れば、その期待を裏切らない作品です。
見たまんまの作品だし、見たまんまのターゲットを狙っているので、客層も私みたいな連中ばっかでした。
いや、オタ仲間と連れだって来るようなオタクよりも、彼女(in DSiLL)連れで観に来ている俺の方がいろんな意味で1ランク上のオタクだ。
前売券をペアで持って来ちゃったりしてるあたり、もう1ランク上だろう。
そんな客層を象徴するかのように、当初観るつもりだった池袋の劇場では、公開初週にも関わらずパンフレットが完売していました。
仕方ないので渋谷の映画館に行ってみると、パンフも含め関連グッズも残っていました。
なんとも分かりやすいオタク心理を持ったファンに支えられ、本シリーズは劇場公開に至っているのです。


つーか、そこそこ苦労して手に入れたパンフレットなのに、スタッフインタビューに全然ページが割かれてないってどういうことよ?
巻末のおまけ漫画の半分しか無いなんて。
カードゲーム用のカードが封入されていたけど、こいつのせいで品薄なのか?
TCGやんないから、カードだけ抜いたらパンフくれよう。


とまぁその辺の劇場外での不満はありつつも、内容の方は大変満足させていただきました。


やはり見どころは、「空を駆けぶつかり合う魔法少女の高速バトル」!
劇場の大スクリーン上を縦横無尽に飛び回り、これでもかと激突する二人の魔法少女
そのすべてが劇場版クオリティの美麗な作画で展開される。
この「隙」の無い絵。こんなに魂の込められた作画に出会ったのは久しぶりだ。
ともすれば「なのは」のビジュアルは、「ジブリ」だとかに比べれば、いかにもな「萌え」の代名詞として扱われがちな絵である。
しかし、自らの意思を貫く少女「なのは」と己の生まれた意味を問う少女「フェイト」の生き様をフィルムに刻みつけようとする所業は、一点のよどみも無い、崇高な行為だと言わざるを得ない。
その一点においては、まごう事無き日本アニメの最高峰である。
そう、観る者はただ、少女たちの美しくも激しい戦いに酔いしれていればいいのだ。


そしてその戦いをさらに盛り上げるのが、水樹奈々の歌である。
個人的にはこれは「Prayの雪辱戦」だと思って観てました。せっかくの水樹奈々の歌も、「フェイトの顔以外崩壊した世界」で流れてもねぇ…っていう感じだったので。
なので今回の「Don’t be long」がかかるまでの流れ、かかったときの高揚感、戦闘シーンの爽快感は、格別のものがありました。
…まぁなんていうか、クライマックスで歌が流れると無条件でテンション上がっちゃう、オタクの性分なのかも知れませんが、「否応なし」だろうと「敢えて」だろうと関係なく、乗っかるに値する作品です。


さて、全編とおして見ると「あれ?フェイトの話じゃん。主役は『なのは』じゃないの?」と思われるかも知れませんが、
これはなのはが「主人公」でフェイトが「ヒロイン」だからです。
もっと言うと、なのはという「主人公(=プレイヤーの分身)」が「ヒロイン」であるフェイトを「攻略する」お話だからです。
これもまた間違ってない表現のはず。


まぁ、これで分からない人はもう一度観に行けばいい!
そして分かった人は何度でも観に行けばいい!
でもってみんなで「The MOVIE 2nd」を観に行こうぜ!!