マイマイ新子と千年の魔法

マイマイ新子

空想力豊かな田舎育ちの小学生・新子と、ある日都会から転校してきた貴伊子との交流を、彼女たちの周囲で起こる出来事を通じて描き出す、心あたたまる、それでいて少し切ない物語。


まず、画面の「ジブリっぽさ」や「千年の魔法」というタイトル、たびたび描かれる「新子の空想」というファンタジックな要素に反して、新子や貴伊子をとりまく現実の出来事の生々しさに少し驚きました。空想はあくまで新子の中にしか無く、現実には働きかけないというスタイルなので、一つ一つの出来事にハラハラさせられるとても秀逸な作りだったと思います。



明確な語られ方はしていませんでしたが、それまで夢にあふれた美しい空想の世界に生きてきた新子は、自分を取り巻く大人たちの世界に触れて視野を広げ、自分の中だけで解釈して完結させようとせず、現実に立ち向かおうと最終的に決意したのだと思いました。
昨今の思春期主人公のようにいつまでもウジウジと葛藤しないという、内面世界との潔い訣別だったと思います。まぁ小学生だし、そこまであまり深く考えないのだろうと言ってしまえばそこまでですが。



というわけで、「マイマイ新子と千年の魔法」は、どこか懐かしいけどちょっと胸の痛いお話です。空想の世界で過ごした日々を思い出したい人は是非。


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