2010年12月終了のアニメたち

2010年12月終了アニメ

2010年12月あたりに終了したアニメたちへのコメント。
Twitterで言ったことをなるべくカドが立たないようにまとめたものでもある。



薄桜鬼 碧血録
1期に引き続き期待を裏切らない安定したクオリティを最後まで保っていました。
総集編を除くと10話しか無かったという点では少し物足りなさが残ったかも。話のテンポを重視しての措置だったのだろうか。
とはいえ「新選組」「吸血鬼」「乙女向け」という組み合わせ方を初めて見た時の色眼鏡的評価を、すっかりひっくり返してくれた良作でした。


俺の妹がこんなに可愛いわけがない
「中学生が18禁エロゲをするアニメ」に「エロゲメーカーが“協力”としてEDロールにクレジットされていた」ことで、いろいろあったりなかったりしてましたね。
まぁフィクションの世界では中学生が人殺ししたり立ちションしたり様々な犯罪を犯すことは取り立てて珍しいことではないわけですが、時期が時期だったのもあって大きくなった感がありましたねぇ。
内容の方は、オタクの生態を描き出した所やなのはのパロディ、アニメ化のくだりは楽しかったけど、「妹のオタ趣味への非難をかわすために兄貴が身代わりになる」という手段がわりと目立った気がする。
あと最終的に桐乃がそんなにかわいく見えなかったのは、この時期やたらと竹達彩奈の声を聞きまくっていたのもあるかも知れないけど、やっぱりオタクの生々しい振る舞いを客観的に見せつけられると、自分を見ているようでいい気分ではなかったというのもあったかも知れない。その上で容姿端麗で社交性もあり家族に愛されてる桐乃をどこかでずるいと思ってしまうからなんだろうなぁ。


咎狗の血
作画に特別こだわるタイプのアニメファンじゃないけど、やっぱり作画は「作品の主題の深さやスケールの大きさに合わせた」ものでないと、説得力を持たせることができないんだなって痛感しました。
いやまぁ実際この作品が深かったかと言うとどうかなとは思いますが、ハッタリにすらなってなかったので。


えむえむっ!
終始福山潤の怪演が楽しかったですね。
「ドМ克服」だけでどこまで持つのかと思ってたけど、天才少女登場あたりからわりと何でもアリな展開になって行ってくれたのが良かったんじゃないかと。
回を重ねるごとに変態行為をエスカレートさせてゆき、終盤の記憶喪失の回でそれが全部太郎に降りかかって来るという構成は「うまいなぁ」と思いました。


●パンティ&ストッキング with ガーターベルト
職人集団GAINAXが本気でパロディを作るとこうなるんだぜ!って感じの作品でした。
毎回クオリティの高いパロディが存分に楽しめた。
ただ徹底的に作り込まれている分「狙い」が見えやすく、ミルキィホームズの壊れた面白さに比べるとやや物足りなさが残る作品でした。
続編を匂わせているがどうなんだろうか。このやり方は時間を空けて引っ張るものではない気がするけど。


●夢色パティシエールSP
1クールしかやらないなんてホントにべるぜバブのツナギだったんだ…。
新たに提示された「店を運営する」という課題が出ているにもかかわらず、1/3をスイーツ王国大冒険に費やしたり、新レギュラーの片方が完全に空気だったり、最終決戦は結局スイーツ王子3人揃うし、なんだか初代マクロス第3クールを見ているようでした。
まぁいちごの恋もようやく決着ということでこれで良かったんだろうね。


百花繚乱 サムライガールズ
和風クイーンズブレイドかと思ったら存外楽しめた。
やっぱ男キャラがちゃんと居た方が話の軸を作りやすいんだろうか。
あとは豊崎愛生けいおん!以上のコミカルな演技が見ごたえがあって良かった。


荒川アンダー ザ ブリッジ*2
終始安定してたし面白かったので特別コメントすることが無いな。
笑いました。


ヨスガノソラ
ルート分岐を導入したという点以外では、直接的な性描写が多かったりCパートのボリュームが多かったり話題が尽きなかった作品。
コメディタッチな部分を全部Cパートに隔離して、本編は作品の空気感や後味の悪さを存分に強調できる作りにしたのも功を奏していたのではないかと。


おとめ妖怪 ざくろ
女性向けなのかと思いきや、最終決戦の演出は完全にバトルものの王道展開でちょっと面食らった。
「こいつ絶対死んでないよね」っていうのもあったし、続編を期待したいアニメですね。


侵略!イカ娘
一言で言うと「ユルいケロロ」なんだけど、そこを徹底していたから受けたんだろうか。
個人的には、原作に忠実だし特にエッジの立った演出や展開があったわけではなかったので特筆すべきことが無いのだけど、逆にそういうユルさが多くの人に受け容れられたということなんだろうか。
たしかに、過激な描写に傾きがちな深夜アニメの中にあってこういう「ユルさ」を徹底すること自体、かなりの冒険だったのかもしれない。
そう考えるとちょっと見方が変わるなぁ。


神のみぞ知るセカイ
原作ファンからすると、エルシィが原作ほどデフォルメが効いてなかったところに不満は残したものの、逆に言うとそれぐらいしか指摘する所の無いアニメ化だったのかなと。
2期も決まってるしリピート放送は何故か夕方だし、このまま天理が登場するところまでは進んで欲しいがさて…


探偵オペラ ミルキィホームズ
これはすごく楽しかった。
一見カードゲームと駆け出し声優ユニットの販促アニメかと思いきや、どこかネジが1本飛んでるんじゃないかっていうくらいの無軌道なシナリオと演出がなぜかハマっていた恐ろしいアニメでした。
なぜすぐに目的を忘れるのか。
なぜ簡単に物理法則を無視するのか。
直前まで積み上げてたらしき話は盛大に投げ捨てる。
パロディの引用の仕方がひどい。
もういちいち突っ込むなんて野暮なマネはしなさんな。存在自体が放送事故(褒め言葉)!無軌道アニメ・ミルキィホームズ!無事最終話まで辿り着けるか、あなたの目で見届けていただきたい。

それでも町は廻っている
小見川千明の声がハマってましたねぇ。終わってみたらもう歩鳥役は彼女以外考えられないんじゃないかっていうぐらいのハマりっぷりでした。
同時期の荒川UB*2に比べると、ノーマルな日常を描く作品というのもあってか、尖った演出は抑えめだったものの、その分扱っているネタの面白さで魅せてくれていたんじゃないでしょうかね。
それにしても悠木碧は着実に役の幅を広げているなぁ。末恐ろしい。


FORTUNE ARTERIAL 赤い約束
結局結論先送りにしちゃったよね。別にいいけど。
他のギャルゲー原作アニメたちがマルチエンディングに挑戦したりしてる中にあって、よもやこんなにマイルドな締め方をするとは予想外でした。
その上2期への布石も特に無さそうという。
まぁ、言い換えれば、ごくごく一般的なギャルゲー原作アニメのセオリーに則った、教科書的なアニメでした。
Liaの曲、良かった。


アマガミSS
オムニバス形式の導入というトピックス以外では、毎回原作に忠実(?)に過激なシーンを入れていたのが話題でしたね。
関係無いけど半年間の放映で7回もクリスマスが来るアニメってすごいよね。


屍鬼
初見では、アニメ寄りなキャラとリアルタッチなキャラのギャップに少し違和感があったけど、最終的には違和感無くなってた。
TVシリーズであそこまで凄惨な描写で最後まで貫いたというのが何よりすごかったし、見ごたえがあった。
「人間でなくなった」者たちを排除せんとするために、「人間」であるはずの村人たちからもいつしか人間性が無くなってゆくというくだりが強烈に残りました。
物語の中では真の決着がついたとは言い難い締め方だったけど、描きたいことは描き切れたのではないかと。


海月姫
天水館のオタ女子たちがコミカルで、見ていて楽しかった。腐女子でない、専門分野に特化したオタクで、オシャレ人間を恐れるという事もあってか、受け容れ易かった気がする。
主軸は月海のシンデレラストーリーなんだけど、個性的なキャラクターたちと軽妙なテンポが面白かった。続編が観たい。


刀語
毎月1回1時間ずつの放映という編成もあってか、話や作画が崩れることもなくて最後まで楽しめました。
田村ゆかり演じるとがめが非常に良かった。作品全体のテンポや盛り上がりはこの人の力によるところがかなり大きかったと思う。


●おわりに
2010年秋期アニメは、全体的に「賑やかだった」という印象だろうか。けいおん!!のような突出したバケモノアニメが無かった分、それぞれの作品をフラットな目線で観ることができた気がします。
声優でいうと今期は特に竹達彩奈が大活躍していた印象です。Kiss×sisとかでエロ方面はすでに開拓しているので、今後はより広い年齢層や男子キャラあたりを開拓して幅を広げて行ってもらいたいなぁと思っております。
ギャルゲー原作アニメで意欲的な試みがなされたり、分割2クールがほぼ定着したりと、今後の深夜アニメ界を見通すうえでポイントとなりそうな要素もちらほら見受けられたので、’10年代のスタートとしてはなかなか有意義だったのではないでしょうか。
まぁ肝心の次クールにやたら再放送とかリピート放送が多いというのが多少不安ではありますが…その分少数精鋭なのだと思って臨んで行きたいですね。


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